吠えています。 :: 2012/03/14(Wed) |
寒いのか暖かいのか布団を跳ねのけていて冷えて目が覚めた今日です。 高知県猟友会理事山下幸利さんの「猟師が吠える!」読まさせていただきました。 ![]() ちょっと表紙のイメージからは想像しにくいですがロマンある本だと思います。 もし機会があったら読んでみて下さい。猟師さんののイメージが変わります。 ※太文字は著書抜粋文です もちろん猟師といっても人それぞれ様々なのでしょうが、望まない殺生に追いやられる猟師というタイトルの文脈に 「平成20年度、高知県での個体数の間引き(密度調整)は猟友会の協力で約8.300頭捕獲という大成果だったが、主役猟師へは悲しいかな拍手は少ない。これまで適正な実績を上げてきた我々狩猟者の実猟はいま、その領域を越えている。シカばかり追わされるような有害駆除猟(殺生)は継続したくない。この様な狩猟では若者は育たない。これが猟師の本音である」と書かれています。 一般の方には知られていない世界。私も知らないそのひとり。 しかし今このすぐ近くの山はこんな事になっているんですね。 ![]() ![]() ![]() 「シカ対策」の中心に猟師がいるにもかかわらず、 「惨い殺生をする人」「怖い鉄砲撃ち」などなど社会からの評価は低く、良く思われていない。・・・・・・~ 何の猟でもそうだが、簡単に獲物が獲れるものではない。しかも、あせると良い猟ができない。 ここが肝要である。行政の有害駆除対策は後手で難儀中だが、先手の行政が不可欠であり、それには先々のために担当部署は机上管理ではなく現場に足を向け、猟師と共に鳥獣個体調整行政の情報収集に汗をかくことが先決である。これが基本であり、最も建設的で大切な行動だ。 獣害駆除はなぜするのか。①誰のために?②生物共存のために?③管理は誰がする?ここに原因を明らかにする根本がある。猟師は、社会に、一般の方々にこの原因究明の勉強を期待している。 日本の森林率は約70%。国土の約7割が森林。 森林率は先進国では世界第1位のフィンランドに次いで2位という日本山に行かれる方は御承知の事だと思いますが、 全国各地の美しい森が人知れず今、枯ていっています。もの凄いスピードで森が枯れていっています。 「増え過ぎたシカが森の植物を食べて森が枯れるだからシカを殺して減らせばいい」という事なのでしょうか。色々な問題があろうかと思いますが悲しい結末になっているのが現状です。 山下さんの本によると 平成20年度に大量に捕獲した大自然のシカ肉の行方はどうなっているのか。シカ一頭のうち美味しくいただける肉は約15キロ。年間8000頭のシカが捕獲されていると考えると、12万キロの美味しいシカ肉があるはずだ。しかし、消費されたのはそのうちの約1万キロに過ぎないというのは、もったいないの一言である。とあります。 国民1人1年当たりの牛肉供給量は10.1kg。昭和30(1955)年度の日本の牛肉1人1年当たり純供給量は1.2kg、昭和45(1970)年度は2.1kgと約2倍に、昭和55(1980)年度は3.5kgと約3倍、平成2(1990)年度は5.5kg、平成14(2002)年度は6.4kgと、ここ50年間で牛肉の消費量は5倍近くになっているという事。 せめて シカ肉の家庭料理の普及をとこの本の一文にもあります。しかし現実はなかなか浸透していない家庭でのシカ肉料理です。増え続ける日本の肉の消費量、それに反して余るシカ肉。駆除の為殺生。森は枯れていく。と複雑な気持ちになるこの日本の現状です。 山の恵みに感謝し、心ない惨い殺生はしない・・・ 毎年11月の初猟のときには、その年初めて獲れたシカの耳を切り取って、木の枝に挟む。そして北の方角へ向けて「今年初めての猟をしました。右の耳をおそなえしますので、また次も獲れますように。獲れましたら今度は左の耳をおそなえします」と、山の神様へのお祭りをする事を忘れない。と書かれています。 冒頭でもあった 望まない殺生に追いやられる猟師というタイトルと共に山下さんの心の声が聞こえてきそうです。 今スーパーで麹が売り切れています。いつも買うお店でも麹が売り切れていました。 メデア・テレビで最近よく放送されている塩麹がブームだからでしょうか? 何年も前から麹を購入していますがまず売り切れているという事は今まで一度も無かったですし よく半額処分されていました、、、。急速な売り切れ続出でちょっと今腹が立っています・・・・ メディアに流され過ぎだろう日本人。えい事は流されていいと思いますが。 あまりにもテレビの影響力が大き過ぎませんかね? ココアが健康にいいといえば、スーパーからココアが一揆に無くなる日本。 テレビで有名人が「シカ肉は身体にいいし、美味しいよ♪」と3回くらいゆってくれたらなんぼかシカ肉消費が高ま るろうなと思ってしまいます。 岡林さんもおっしゃっていました。山下さんもこの本に書いてあった言葉。 「鹿を逐う猟師山を見ず」 目先の利益を追っている者は、それ以外のことが見えなくなり道理を忘れてしまうことのたとえ。一つのことに夢中になって、他のことに余裕がなくなること。 鹿を捕えようとしている者は、獲物にばかり気を取られて山全体のことが目に入らなくなってしまうことから。 (ことわざ辞書引用) 担当部署は机上管理ではなく現場に足を向け、猟師と共に鳥獣個体調整行政の情報収集に汗をかくことが先決である。これが基本であり、最も建設的で大切な行動だ。という文章が再度よぎります。 そしてその現場には望まない殺生に追いやられる猟師さんが今いるのですね、 とそんな事を考えてしまった事でした。 そして今日もいつもと変わらない町での1日の仕事を机上で何事もなく平凡に終えていく私です。 麹を探し求め帰ります。 ![]() スポンサーサイト
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Author:高知県森と緑の会 |
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